幕末まで長く皇室の菩提寺だった泉涌寺(京都市東山区)。真言宗泉涌寺派の総本山であり、「御寺」(みてら)と呼ばれいまなお多くの尊崇を集めています。
そんな同寺の塔頭・戒光寺は鎌倉中期に後堀河天皇の勅願所として開創され、東宮時代の後水尾天皇を救った「身代わり伝説」を持つ丈六の木造釈迦如来立像(国重要文化財)を本尊とする古刹です。
ご本尊は運慶・湛慶父子作と伝わる寄木造・像高約5.4㍍の鎌倉仏で、台座から光背までは約10㍍におよび、木造では世界最大の釈迦如来立像といわれます。
奈良の大仏が像高約15㍍であり、実際に参拝されると、その大きさに圧倒される人が後を絶たないようです。
戒光寺は創建以来度々移転し、4箇所目が現在地と伝わります。このような巨大な本尊の移転は大変な難作業であり、戦乱や大火が幾度となく続いた京都で、被災せずに現在に伝えられたことはまさに奇跡といえるでしょう。お寺とご本尊を何としても守り抜く。多くの先達の篤い信仰と必死の苦労が連綿と紡がれてきたことが偲ばれます。
さて、戒光寺本堂は江戸時代の建築で、開創800年の大改修工事を控えていましたが、2021年8月の大雨により、残念ながら屋根の一部が崩落しました(→写真)。
ご本尊と、崩落場所の真下に安置されていた開祖・曇照忍律上人像(国重要文化財)は幸い無事でしたが、構造上、破損した部分だけではなく屋根全体の修復が必要となりました。檀家の寄進やクラウドファンディング等で 今年の5月末に修復が完了しましたが、ご本尊をはじめとする諸仏や本堂など、貴重な文化財を維持継承するには、引き続き多額の費用と幅広い支援が必要となります。
今回は、同寺住職・渡邊恭章師による解説と案内で、縁起・沿革や「身代わり伝説」をはじめとする様々なエピソードを学び、また、通常は入れない本堂内陣から「京の大仏」お釈迦様の魅力に迫ります。
あわせて屋根の修復現場を間近で見学し「文化財保護と災害」につき改めて想いを馳せる場になればと考えています。また、今回の災害につき、宗教者としてのみならず、文化財所有者としての思いや、今後の展望、課題などにつきお話しいただきます。
おひとりでも多く、同寺文化財の支援、応援の輪に加わっていただければ幸いです。
【主催】(株)ヘリテージハブ京都 【特別協力】戒光寺 【後援】京阪ホールディングス(株)
特別公開日時 | 2023(令和5)年10月22日(日) ①午前の部 11時〜12時 ②午後の部 13時半〜14時半 ※雨天決行(台風に伴う各種警報や公共交通機関の計画運休実施時等は中止の場合あり) |
見学料金 | おひとり 3,500円(税込) |
定員 | ①②各先着30名様 ※未就学児(小学生未満)はご遠慮願います |
お支払い方法 | 当日会場にて現金払いのみ(カード、QRコード払い等は不可)※できるだけお釣りのないようにお願いします |
集合・受付時間 | 現地集合 ①②とも開始30分前より受付 ※遅れないようにお願いします |
申し込み方法 | 下記カレンダーの「10/22(日)」→ ページ最下部の①11時〜、②13時半〜を選択 → 各申込フォームへ ※1件につき最大4名様まで申込可 5名様以降はお手数ですが別の申込で入力ください ※◯△表示は残枠ありです ※午前、午後の選択を間違わないようにご注意ください |
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アクセス
- 所在地
〒605-0977 京都市東山区泉涌寺山内町29 - JR東福寺駅、京阪東福寺駅より徒歩約10分
- 京都市バス泉涌寺道停より徒歩約7分