「京都非公開文化財特別公開」の会場、智積院(真言宗智山派総本山)へ行ってきました。
12/6というのに境内は紅葉が見頃。
特に鐘楼周りは見事で、京都の街中では隠れた紅葉の名所といっていいでしょう。
今回は「弘法大師空海御誕生1250年」記念奉祝事業のひとつとして、昨年4月に開館した宝物館を見るのがメインでした。
長谷川等伯「楓図」ほか、桃山時代の絢爛豪華な国宝群が、最新の設備で非常に見やすく展示されており、訪れた人たちがみな息をのんで観覧されていたのが印象的でした。
さて、神社仏閣を訪ねた際に、私が見学・拝観テーマとしているのが「神仏習合」の痕跡探しです。
明治政府による神仏分離政策で大きく変えられてしまった信仰の形。
特に、本地垂迹説の象徴ともいえる「権現」マニアでして、見つけると興奮して取り乱す始末。
智積院へはこれまで何度も来ていたものの、境内くまなく行ったこと無かったな──そう思って端から端まで歩いたところ、思いがけず感動の連続でした。
特に境内北東で参拝客もここまで来ない(というより気づかない?)エリアにある密厳堂(みつごんどう)周辺がすごい!
真言宗中興の祖と名高い興教大師覚鑁(かくばん)上人像の周りに、ごく自然に立つ鳥居。
小さな3つの祠には愛宕大権現、天満宮、白山大権現。隣の少し大きなお社には藤森天王。
されにその東奥には、智積院の総鎮守・三部権現を中央に、春日大明神、九社明神を祀る三社壇が。
無人の境内は凛とした静謐な空気に包まれ、いつまでも滞在したい空間でした。
やはり神仏が習合し同じ空間で祀られるというのは、日本人が長年受け継いできた信仰のカタチであり、それを違和感なく受容するDNAみたいなものもあるのかもしれませんね。
もし智積院へ行かれる方がいらっしゃれば、ぜひ訪れてみてください。
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